こんにちは。ノボルです。教育、子育てを共育=「大人も子どもも笑顔になる」と捉えて、頑張っている若手先生や家事育児の両立に悩むママパパ先生の力になりたいと発信しています。
あ~。今日も怒っちゃったな~。
どうしたん?いぬ先生、何かあったの?
班活動をしていた時に班長ばっかりが頑張って他の子は全然何もしなくて。ついに、「班長ばっかりにさせません!」って怒っちゃったけど、あれでよかったのかな?
そっか。ちょっと見方を変えてみれば、他の子は「役割がわからない」のかもしれないね。こんな方法もあるよ!一緒に考えてみよう!
この記事では、班長ばかりがするのではなく、生活班の仲間がそれぞれの役割に責任をもって活動することができる方法を紹介します。
この記事はこんな人に読んでほしいです。
- 班長以外の子をどうやって行動させるかに悩んでいる先生
- 生活班をうまく動かす方法を知りたい先生
- 子ども同士の関係をよりよくしたいと思っている先生
班長ばかりに頼りがちになる気持ちはわかります。ただし、生活班の仲間がともに成長するためには、班長ばかりが行動していても変化しません。
今日は、一緒に考えていきましょう!
まずは、ノボルの自己紹介から!
- 『大人も子どもも笑顔になる』がモットー
- 現役小学校教師11年目。1~6年全学年担任経験あり
- Q-Uによる学級満足度90%越え
- 教育、ビジネス、自己啓発などを中心に年間100冊以上の書籍を読破
- 義務教育学校経験。小学校に所属しながら中1社会を担当経験
- 学年主任の経験
- 学級担任に加え、人権主担・生活指導部長・道徳推進教師など複数の校務分掌を掛け持ち
- 病休経験→働き方を見つめマインドを整え小学校教員として復活
- 娘と息子をもつ2児の父親『行動で示すカッコイイ父ちゃん』が目標
- 1年間の育短(週に3日勤務、2日を育休)経験
- 仕事と家事の両立をめざし、時短家事コーディネーター資格取得
- 30歳を機に、フルマラソン挑戦。以降、毎年フルマラソン参加。
リーダーが本当のリーダーとは限らない
以前、6年生を担任していた時のこと。4月の引継ぎでこんな場面がありました。
Aさんは、本当に優秀でなんでも自分でしようとするこのクラスのリーダーです。Aさんに任せておけばなんでもできますよ。
私は、情報だけは知っておき、4月、5月とクラスの活動をしていきます。
Aさんの様子を見ていると、一見なんでもやっていこうとしています。でも、一つ気がついたことがありました。
Aさんは、発言力が強く自分のやりたいことはやるけど・・
こういう経験、ありませんか?
リーダーと聞くと、
- リーダー=発言力が強い
- リーダー=前に立ってできる人
- リーダー=勉強ができる
私は、これが全てと思っていません!
リーダーのカタチはそれぞれでいいと考えています。
リーダーシップには、単なる役職や肩書きだけでなく、人を引っ張り、励まし、導く力が求められます。時には、公式の指導者が、組織やグループを本当にリードする能力を持っていないことがあります。逆に、リーダーとは認識されていない人が、周りを引っ張り、協力を促進することもあります。
本物のリーダーシップは、人とのつながりやコミュニケーション、問題の解決力など、様々な要素から構築されます。時には、リーダーのポジションにいる人が、単に指示を与えるだけでなく、理解し、尊重し、共感することが重要です。
大切なのは、リーダーシップが形式的なものではなく、行動と資質によって形成されるということです。リーダーとは、人を引っ張り、方向を示し、協力を促進することができる個人なのです。
したがって、単に役職だけでなく、心から信頼され、尊敬されることが真のリーダーシップなのです。
Aさんは、発言力が強いからリーダーに見えていた。でも、それだと底上げはできないので、ある制度を導入することにしました!
自分の可能性に気づく「キャプテン制度」
リーダーのカタチはそれぞれでいいということは理解されたと思います。では、具体的にどんなことをしていったらいいのか。
「役割が人を育てる」とよく言います。
人は役割を与えられると、
それに見合う能力を発揮しようと努力します。
その向上心をさらに伸ばすために、
生活班では役割を設定します。
4人の生活班一人ひとりに「〇〇キャプテン」称号
私のクラスでは、基本的に生活班は4人です。(今年は37人学級なので、4人×9班構成で一つの班だけ5人班)
本来、決めても班長や副班長を決めることが多いかと思いますが、私は班メンバーそれぞれに役割を与えます。しかも、単に「あなたは配り担当」ではありません。
ノボル大臣から「〇〇キャプテン」として称号を与えます。
え?なんだか、大がかりじゃない?(笑)
この大がかりな感じがポイント。
なぜなら、ネーミングによって子どもの前のめり感が変わるから。
なぜ、「キャプテン制度」を導入するのか。
それは、「一人ひとりが班の帰属意識を高めること」
「私もこの班の一員であり、やることに責任をもって過ごさないと」と思わせること。
このあたりは、こちらの記事で詳しく書いています。ぜひお読みください!
ちなみに、昨年度のクラスではこんな役割にしていました。これは、子どもたちの実態に合わせたり、クラスで役割を話し合ったりしていいでしょう。
- 班長・・話し合いのファシリテーターや健康観察
- 整頓・宿題キャプテン・・宿題提出したか確認・整理整頓を声掛けする
- 集約・配達キャプテン・・ノートや提出物を集めたり配ったりする
- 学習キャプテン・・授業中に学び合うときに率先して動く
それぞれのキャプテンは、自分たちの班で話し合わせて決めます。
ですが、話し合う視点を与えてから始めます。
- 1人ひとりの強みや個性を生かしてほしい
- 「やってみたい!」って思うことは得意でなくてもチャレンジ大歓迎
- キャプテンが決まった後の内容(どんな仕事ができるか)が大切
ただ、「話し合って決めてください」じゃなく、話し合う視点を与えると、子どもたちは仲間の強みを見つけながら真剣に話し合います。
話し合ったことは、1人ひとりがワークシートに記入して、常に見返すことができるように、1人ひとりが持っている「クラスの成長ファイル」に貼ります。
ワークシートはこんなものを作っています。その都度、加筆や修正をしてカスタマイズしています。
話し合った後に、その日の振り返りジャーナルに書いた子どもたちの言葉です。
僕は、「学習キャプテン」になりました。まず、自分で授業をがんばっていることはできないではなく、やろうとすることです。考えて考えて発表しあう、それが授業だと思うので、考えて発表をどんどんすることを自分の仲で頑張っています。そして、クラスの中で頑張っていると思うのは発表と聴くです。7割ぐらい挙手することがふつうにあるからです。そして、当たっていなくてもしっかり(再話)聴けているので、そこがクラスでの頑張りです。班のみんなに自分が声をかけていきます。
ぼくは人生初の班長になった。ぼくの意気込みは、昨日プレゼンしたとおりにできるようにがんばりたいです。どんな班を築きたいかというと、学年目標を達成できる班にしたいです。
子どもの言葉、本音がみえることがある「振り返りジャーナル」は、私の実践の中でも欠かせないものの一つですね。
振り返りジャーナルについての記事はコチラ!
役割を決めることが目的ではなくて、班のメンバーの中でどんな行動を取るかが重要ですね。
どの子も活躍の場を与える
これまでなら、「班長だけ」や「できる子だけ」が活躍することになりますが、1人ひとりの役割が設定される「キャプテン制度」を導入すると、どの子も活躍の場が与えられます。
子どもたちが自分の個性や特技を輝かせ、成長できるように、班での活動での環境が重要です。学校や地域で、子どもがまだ経験していない未知のこともあります。
興味を持っている分野に触れ、自分らしさを発見できる場を用意することが、彼らの可能性を最大限に引き出す秘訣が、「キャプテン制度」でもあります。
キャプテン制度が導入したことと、子どもたちの反応については、学級通信に掲載します。学級通信は、保護者が学校の様子を知ることも狙いますが、子どもたち自身に「めざす像」を示す意味としても私は使います。
紙面から読み取ることで、子どもが自分事として捉える。
学級通信の書き方についてはコチラを!
タイトルに悩む先生は、保存版をどうぞ!
活躍する環境は教師である私たちがつくる。そこから、子どもたちの可能性が広がりますね。
褒めるポイントを見つける
これは、教師側の視点で書きました。一人ひとりに役割があることで、自然と行動する姿が見られます。これまでであれば、班長やできる子だけだったところが、班員みんなに役割があることで、意図的な活動を組み込むことができます。
例えば、私であればこんな指示をします。
- 振り返りが書けたノートを班の集約キャプテンが集めます。
- 班のメンバー全員がめあてを書けたかどうか、学習キャプテンがチェックして報告!
- 意見が出たものを班長が箇条書きでホワイトボードに書きます。
など、キャプテン制度が慣れるまでは特に、一つの指示について「〇〇キャプテンが・・」と指示します。すると、本人に「すごい!」「よくやっている!」と価値づけの言葉を伝えられるし、実際に行動を起こしているので褒めることができます。
私はこの児童をほめる材料になるところが、この活動の醍醐味のように感じます。
1日に必ず1回は必ず全員の児童をほめる材料が見つかります。
褒めることを見つけようとすると、自然と子どものよさがみえる身体になっていきますね。
自治的集団をつくる布石が「キャプテン制度」
いかがでしたか。子どもたちに一人ひとりの役割を与えることで、班長ばかりがするのではなく、生活班の仲間がそれぞれの役割に責任をもって活動することができます。
その一つが、「キャプテン制度」
私は「自治的集団づくり」をめざしています。自ら考え、仲間とともに問題解決ができるクラスや学年集団をつくる。
そのための布石として、自分の所属意識を高める「キャプテン制度」は、1年~6年度の学年でも活用できます。
「子どもたちが自分で気づいてほしい」
どの先生でも、必ずそう思います。
でも、それに気づくためには班という学びの組織内で、どんな役割があり、自分にとってどんな役割が得意か・苦手かを経験するところから始まります。
それは、子どもも先生も同じです。
あなたは、自分の得意なことを知っていますか?
春休みにご自身を見つめてみませんか?
そんな、自分を見つめるための記事はコチラ!
一つひとつの積み重ねが大切ですね。
以上、「できる子に偏ってない?生活班は一人一役の役割を設定する「キャプテン制度」」という話題でした。
ほいじゃあね~👋