こんにちは。ノボルです。教育、子育てを共育=「大人も子どもも笑顔になる」と捉えて、頑張っている若手先生や家事と育児に追われるママパパさんの力になりたいと発信しています。
全国の小学校で毎日必ずといっていいほどある活動。
それが、ペアでの活動だと思います。
ペアで話すのって、1時間に1回以上しています!
どの学校でも、どの教室でも毎日行う光景ですよね。
国語や算数などの授業中はもちろん、話合い活動となったらペアでの活動はよくあります。
そこで、ねこ先生に質問です!
なぜ個人で考えるのではなく、ペアで話す時間が必要なのでしょうか。
・・・。 そんなこと考えたことなかった。
結論から言うと、
『1+1=3』なのです。
自分の考えと相手の考えを出し合うことで、2以上の新たな考えが生まれるから。
だから、ペア活動が必要なのです。
- ペア対話ってどんな時にするの?
- ペア対話ってなぜするのかな?
- 良いペア対話とダメなペア対話の違いを教えて!
この記事では、良いペア対話とダメなペア対話の違いが何なのかが事例を交えながらわかります。
この記事を読めば、ペア対話による効果を実感し、子ども同士の関係構築が深まることで、クラスの荒れを防ぐことができます。
現役教員でありながら、毎年のように研究授業を行っているノボルの経験をこの記事に凝縮しました。「時間は最小限で、子どものやる気は最大限引き出したい」と思っている人は最後まで読んでください。
まずは、ノボルの自己紹介から!
- 『大人も子どもも笑顔になる』がモットー
- 現役小学校教師11年目。1~6年全学年担任経験あり
- Q-Uによる学級満足度90%越え
- 教育、ビジネス、自己啓発などを中心に年間100冊以上の書籍を読破
- 義務教育学校経験。小学校に所属しながら中1社会を担当経験
- 学年主任の経験
- 学級担任に加え、人権主担・生活指導部長・道徳推進教師など複数の校務分掌を掛け持ち
- 病休経験→働き方を見つめマインドを整え小学校教員として復活
- 娘と息子をもつ2児の父親『行動で示すカッコイイ父ちゃん』が目標
- 1年間の育短(週に3日勤務、2日を育休)経験
- 仕事と家事の両立をめざし、時短家事コーディネーター資格取得
- 30歳を機に、フルマラソン挑戦。以降、毎年フルマラソン参加。
良いペア対話とは?
いつも同じペアにしない
誰とペアになるのかということは、子どもにとって重要な問題です。
気の合う子と毎回ペアを組むことができれば、それだけで毎回の活動が楽しくなります。
しかし、その逆もあります。
次のような場合にいつも同じ子とペアだったら、しんどくなってしまうこともあります。
- ペアの子の機嫌が悪い。
- ペアの子と相性が合わない。
- ペアの子とけんかをしている。
- ペアの子が何かしらの問題を抱えている。
だから、毎回同じ相手ではなく、相手を替えるのです。
授業でのペア活動は、極力移動などは避け、座席で話し合うことが多いですよね。
私の場合は、隣同士で話し合うときと前後同士で話し合う時のパターンを分けています。
「隣同士で話し合ってみましょう」「前後同士で話し合ってみましょう。」などとペアを替えています。学ぶ時は固定化するよりも、流動的にペアが変わることで刺激も生まれます。
また、時には「シャベリカ」というカードを使って、ペアを組むこともあります。(シャベリカはトランプ×お題カードです)
例えば、コレは同じ数字でペアをつくることもできますし、同じ絵柄だったり、同じ数字だったりで集まると、自然とグルーピングだってできます。誰とペアになるのかどきどきわくわくして楽しいです。私は時間に余裕がある時など、たまに行うことにしています。
私はこのシャベリカは、教師の必須アイテムの一つと言っていいぐらい重宝していますよ。他の使い方については、こちらをどうぞ!
私はシャベリカを使いますが、これも同じようなものなので使えますね。
ペアの組み方も活発に話すペアもあれば、あれ、大丈夫かな?と始めは心配になるペアもありますよね!(笑)
思わずしゃべりたくなるようなスタートを意識
「ペアで話し合ってみましょう。」と言っても、どのように話し始めたらいいのかわからず、話がなかなか始まらないことがあります。
議題を話し始める時に思わずしゃべりたくなるような言葉をかけることで、スムーズに話し始めることができます。
例えば私なら、こんな言葉から始めることが多いですね。
- 隣の人とジャンケンをして勝った方から話し始めます。どうぞ!
- 今日朝起きた時間が早い人から話し始めます。どうぞ!
- 4月1日からで誕生日が早い人から話し始めます。どうぞ!
- 「〇〇について大変詳しいとお聞きしました。お聞かせください!」と言ってから始めます。どうぞ!
ちょっとユーモアを入れると、楽しい雰囲気で話し始めることができます。
ユーモアって教師にとって本当に大切ですよね!
聞き方の合言葉
ペアで話す時には、聞き方も重要です。聞き方指導については、1学期から特に意識して行います。一生懸命話していても、相手の反応が今一つだと辛くなってしまいます。
そこで、聞き方の合言葉を決めておき、それを意識して話を聞くようにします。
私の学級では、「聞くあいうえお」や「話すかきくけこ」を教室に掲示して、温かな雰囲気で話が聞けるようにしていました。
あ・・・相手の顔を見て聞くこと
い・・・一生懸命に聞くこと
う・・・うなずきながら聞くこと
え・・・笑顔で聞くこと
お・・・おわりまで聞くこと
か・・・顔を見て
き・・・きちんとわかりやすく
く・・・口をしっかり開いて
け・・・敬語「~だと思います」「~です」
こ・・・声の大きさ
おまけに、元千葉大学の土田雄一先生が提唱している「いなうんそうだよ」や「あいのそなたさ」といった、学級の空気が温かくなる、あいづちの魔法もありますよ。
い …いいね。
な …なるほど。
うん…うんうん。
そう…そうそう。
だ …だいじょうぶ。
よ …よかったね。
あ…あいづちをうつ
い…「いいね。」
の…のりだして聞く
そ…「そうですね。」
な…「なるほど。」
た…「たしかに。」
さ…「さすがです。」
これらを教室に掲示しておくことで、常に安心してペア対話に参加できる子を増やしたいですね。
ダメなペア対話とは?
沈黙を避けるためにペア対話をする
あぁ~。これ、私のこと言っているのかってぐらい図星です・・
沈黙を避けるためにペア対話は、教師あるあるですよ!(笑)
大丈夫!
つまり、「意味のあるペア対話」をしましょう。
授業が少しだらけてきたからだとか、手を挙げる子が少ないからだとか、そういう理由でペア対話をするのは、意味のないペア対話です。
「意味のあるペア対話」でなければ、形だけのペア対話はする必要が本当にない。
「とりあえずビールで!」居酒屋での定番注文のように、「とりあえずペア対話」はやめましょうね!(笑)
話す人が一方的
こういう場面、ありませんか?
「ごんは兵十とどんな会話をしたと思いますか?」ペアで会話の内容について話し合ってください。どうぞ!
ごんは、兵十と出会って「このくりがあるから・・」って思って、それで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どんな意見が見つかりましたか?
私、話せてない・・
ペア対話ですから、どちらか一方のみが話すことはよくないことを伝えます。だんまり時間をつくらないように、協力して話し合い続けることを前提にします。ただ、だんまり時間をつくらないことは、大人同士でもとても難しいことです。
ですから、難しい事に取り組んでいることもきちんと伝えます。だんまり時間をつくらないことができたら、大いに認めるようにします。
また、ペアで話させた後に、私はこんな問いを子どもにします。
ポイントは、「自分事になっているかどうか」です。
- 「隣の人の意見を発表できる人?」
- 「自分と違う意見が聞けたという人、挙手します」
つまり、隣の人の意見を聞いていれば答えられる問いをあえてすることで、
ただただ話すのではなく、良い緊張感を生むことにもなります。
これだと、挙手の数も大きく変わり、当事者意識を生ませるきっかけにもなる。
慣れるまでは、「はい!交代です!」と教師が話し手と聞き手の交代場面をつくり、両者が話す環境を整えてあげましょう。
オープンクエスチョンばかりのペア対話
子どもの心をほぐしたり、ペア対話に慣れさせたりする目的でのオープンクエスチョンは有効です。しかしオープンクエスチョンは一般的に広い範囲の回答を生むため、対話が表面的になりがちで、具体的なトピックや問題に焦点を当てないまま時間が進んでしまいます。
例えば、
- 具体的なエピソードを話させる
- 「なぜ?」といった理由を問う
- 数字を入れて問う。「3個考えましょう」「2分間で4個見つけよう。どうぞ!」
具体的な質問を交えることで、深い議論や感情の共有が生まれ、対話がより意義深いものになります。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン(具体的な質問)のバランスが重要ですね。
まとめ NNP「なんと・なく・ペア対話」なくして、意味あるペア対話が授業を熱中させる
いかがでしたか。
良いペア対話とダメなペア対話の違いは伝わりましたか。
何のためにしているのかという目的意識は、教師が必ず持つべきものです。
- ペアで話すことで、自分とは違った意見を聴くことができた!
- ペアで話すことで、友達の良さに気づくことができた!
- ペアで話すことで、話ができるってこんな楽しいんだ!
1時間の授業の中に必ずといっていいほどある活動が、ペア対話。
この日常改革こそが、授業を熱中させ、子どもが「楽しい!」と思える授業をつくる。
しかも、今日から意識を変えることができます。
NNP「なんと・なく・ペア対話」なくしましょう。
そして、子どもが白熱して話し合っている場面を見つけ、写真を撮り、みんなに価値づけしましょう。その積み重ねが、学級力UPになります。
写真は学級通信に載せると、なにをめざすかというゴール像を
子どもにも、保護者の方にも伝わります。
心に響く学級通信の作り方はぜひこちらをご覧ください!
ここまでお読みくださりありがとうございます。
私もどんどんアップデートしたいので、「こんなペア対話してるよ!」などあれば、コメントまたはプロフィールにあるXに投稿していただけると嬉しいです。
2月も後半になり、そろそろ今年度が終わろうとしていますね。
教師という仕事は、年度が終わっても、すぐ4月から新年度が始まり、新たなクラス・学年でのスタートがあります。
スタートを気持ちよく走れるように、軽やかに働けるように、TODOリストも参考に!
以上、「時間を埋めるだけに使ってない?良いペア対話とダメなペア対話の違いとは?」という話題でした。
ほいじゃあね~👋