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【学校教員】教育実習生を受け持つことになったら?心がけること5選

こんにちは。ノボルです。教育、子育てを共育=「大人も子どもも笑顔になる」と捉えて、頑張っている若手先生や仕事と家事育児の両立に悩んでいるママパパさんの力になりたいと発信しています。

  • はじめての教育実習担当になったけど、何したらいいのだろう。
  • ただでさえ忙しいのに、教育実習生に構っている余裕はない!
  • 教育実習を受け持つことになった時に心がけるべきことを教えて!

一般的には、教師になるためには母校や大学が推薦する学校への教育実習が必要です。現場では、実習担当は赴任順などで割り当てられていることが多いです。

私ノボルは現役小学校教師11年目になります。これまで、1年生の担任から6年生の担任まで全学年担任を経験しています。「子どもと大人が笑顔になることが教育」だという信念のもと、向き合ってきました。10年以上の教師人生と我が家でも6歳の娘と2歳の息子を持つ父親です。残業も多く心も体も限界を迎え、一度は休職。そこからマインドを整え復活。ああは2度となりたくないと、仕事術や時短術を研究。仕事も育児も楽しく、ごきげんにできるように。

この記事では、多くの先生が経験する「教育実習生を受け持つ」担当になった時に使える方法を紹介します。

この記事を読めば、教育実習担当になっても安心して仕事ができ、そして教育実習生にとっても子どもにとっても素敵な実習生活にすることができます。

ノボルが父親として、そして10年以上教壇に立っている教師として培ってきた経験をこの記事に凝縮しました。「教育実習を受け持つことになって心がけることを知りたい」先生は、最後まで読んでください。

ノボル先生ってこんな人!
  • 『大人も子どもも笑顔になる』がモットー
  • 現役小学校教師11年目。1~6年全学年担任経験あり
  • 教育実習担当を経験(小学校)
  • 主任として、3年間教育実習生全体を指導した(小学校)
  • 教育、ビジネス、自己啓発などを中心に年間100冊以上の書籍を読破
  • 義務教育学校経験。小学校に所属しながら中1社会を担当経験
  • 学年主任の経験
  • 学級担任に加え、人権主担・生活指導部長・道徳推進教師など複数の校務分掌を掛け持ち
  • 病休経験→働き方を見つめマインドを整え小学校教員として復活
  • 娘と息子をもつ2児の父親『行動で示すカッコイイ父ちゃん』が目標
  • 1年間の育短(週に3日勤務、2日を育休)経験
  • 仕事と家事の両立をめざし、時短家事コーディネーター資格取得
  • 30歳を機に、フルマラソン挑戦。以降、毎年フルマラソン参加。

教育実習生との打ち合わせまでに

教育実習を受け持つかどうかは年度当初にわかることが多いです。実際に、複数担当がいれば、その中で時期や期間を学年行事等と考慮しながら決めます。打ち合わせは実習開始1ヵ月前ごろにすることが多いですが、指導教官になることが決まったら、まずは心の準備をしておきましょう。

  • 何月に来て、何週間かを確認
  • 専門教科を聞いておく
  • 学級通信教育実習生号のひな型を用意
  • 教室に机といすを1つずつ用意しておく
ノボル先生

打ち合わせ前には実習生全体の受け入れを行っている教務主任などから大学からの書類をもらい、実習簿の記入方法を知っておくと効率的ですよ。

教育実習の打ち合わせ当日

教育実習が始まる前に、実習生が学校へ来て打ち合わせをすることが多いと思います。

実習生とは初めての顔合わせとなります。事前に打ち合わせ事項を決めておかないと、何となく話をしただけで当日を迎えてしまいます。しっかり打ち合わせすることを検討しておきましょう。

なお、教科書や給食などの事務的なことは教務主任や事務職員が担当するので、実習の中身に関わることを考えておきましょう。

何より、緊張をほぐしてあげましょう

多くの教育実習生が、緊張した様子で学校を訪れます。まずは雑談をして、教育実習生の緊張をほぐしましょう。教員であれば、普段から緊張する子どもたちがいたら、笑いをとって緊張をほぐしますよね?同じように、実習生の緊張をほぐしてあげましょう。

雑談をしながら相手の緊張をほぐすことで、気さくな先生だと印象づけることができます。相談しやすい先生なんだと思ってもらえると、教育実習が始まってから進んで相談に来てくれると思います。

ノボル先生

笑顔を大切にしましょうね。

実習で大切にしてほしいことを伝える

私は、2つのことを実習生に伝えています。1つ目は、「とにかく子どもと関わりまくること」です。大学という場で経験できないのは、子どもと直接関わることです。この実習期間中でしか味わえないことを大事にしてほしいです。中には先生から離されるのが苦手な子もいます。それも経験です。困ったことは全て私に聞いてください。と伝えましょう。

2つ目は、「授業の見方」です。実習生は担当の授業だけでなく、校内のたくさんの先生の授業を見学させていただくこととなります。そこで、ただ見るだけではもったいない。

  • この授業のねらい・ゴールは何か
  • 自分がこの授業をするなら、こんなことしてみたいなってイメージをもって見学

見学するポイントがわかっているのとそうでないのでは、吸収するものがかわります。はじめと終わりの感謝を表す礼は欠かさず行うよう伝えましょう。

ノボル先生

緊張をほぐすためには、話を聞く姿勢を心がけると◎!

現時点で先生をめざしているか、それとも一旦は免許を取得するのかを聞く

こんな「教師はブラック」と叫ばれている世の中なのだから、教育実習に来ることも免許で必要だからと割り切って来ることもあるでしょう。私も実際に担当した学生の中に、「教師になろうとは思っていない」とおっしゃられた方もいました。私はそれはそれでいいと思っています。ですが、そうだとしても実習期間は無駄にしてほしくありません。時間は有限だから。

はっきりとめざしているのなら、スキル面や学校現場のリアルを伝えていくことに重きを置く。そうでない場合は社会面に重きを置く。伝えるべきポイントを絞る方がこの実習時間が無駄にならずに、実習生の人生に直結する方を私は選びたいと考えているためです。

その他、心がけることを以下にまとめました。

初日に自己紹介をしてもらうことを伝える

研究授業の教科と単元を決定

学級通信を渡し、自己紹介文を初日に持ってくるよう伝える

上靴と更衣室場所を伝える

Q 名前を覚えるために児童のクラス写真や名簿がほしいですと言われたら?

A 「校外には私たち教師も持ち出せないので」と断りましょう。

ノボル先生

研究授業の教科や単元は、実習生がやってみたいことがあるなら聞いておきましょう。まだ決まっていないことも多いので、その時は後日で構いません。

実習開始1週目に心がけること

配慮が必要な児童がいれば、簡単に伝えておく

たとえ、教育実習生といっても子どもたちにとっては一人の大人、先生として関わります。必要な情報はきちんと伝えておきましょう。配慮が必要な子とは、

  • 家庭環境が複雑な子
  • パニックを起こすなど、接し方が難しい子
  • 身体に障がいがあり、日常生活に支援が必要な子

などです。
教育実習生であっても、知っておくべき子です。詳しいことは、その都度話し合いながら進めていきましょう。

放課後に毎日15分だけ1日の振り返りの時間を取る

教育実習担当になっても、日々の業務や会議などが減ることはありません。ですが、毎日のたった15分でも時間を取り、実習生共に1日の振り返りを行うことは、学びの質を向上させます。この短い振り返りの時間は、実習生が一日を振り返り、感じたことや学んだことをシェアできる貴重な機会となります。

教師になることは、子どもの輝きを見つけることが必須です。その目は経験によって培われるもの。本当にささいなことでいいので、クラスの一人のこんなところがすごい!ということを話してもらうようにしています。そして、それを担任である私がクラスの子に「実習生の〇〇先生があなたたちを褒めていたよ」と伝えることで、子どもはますますやる気になります!そこで、私は以下のような振り返りを毎日心がけています。

  1. 1日の中でのピカイチさん(クラスの子ども)
  2. 実習生に対して、1日の中での行動面のよさ(具体的に)
  3. 質問したいこと

忙しい日々でも15分は取ることができ、この短い時間が習慣となることで、クラス全体がより意識的に学び合い、成長していくことが期待されます。

ノボル先生

はじめの1週間は実習生も不安が大きいでしょう。だからこそ、少しの時間でも振り返りをすることで不安を取り除いてあげることができます。

授業観察のポイントを伝える

授業の前に、「今日の授業のポイント」を言っておく

授業で見るべきポイント、つまり視点を与えます。教師の発問や、個別指導のやり方などです。視点を与えすぎると、実習生が混乱してしまうので、一つか多くても二つまでにします。あとは、自由に気付いたことを記録させましょう。

児童生徒の様子を記録させる

「教育実習の手引き」に、児童生徒の様子を記録することが書かれているので、実習生は自ら記録していると思います。

しかし、ただ漠然と記録するだけになってしまいがちなので、研究授業をイメージしながら、誰が良くできて、誰が支援しないとできないかを詳細に記録するように伝えましょう。

ノボル先生

子どもの様子をきちんと把握しないで、研究授業に臨むのは危険です!

子どもの前に立つ機会を小時間でもつくる

例えば4週間の教育実習があれば、一般的には1週目は観察期間。2週目から少しずつ授業をしていく運びが多いです。ですが、すぐに45分の1本の授業をするのはハードルが高い。そこで、私はあらかじめ見通しを持ってもらったうえで、1週目から漢字指導1文字や算数の計算問題をする10分など、小時間でも子どもの前に立つ時間を入れています。そこで、子どもの前に立つ感覚や緊張することに慣れていくことで、研究授業までの道のりをイメージしてもらっています。

ですが、1点注意点として「手綱は指導教官が握る」が必要です。45分丸々をお願いするときは、極力指導教官は口出ししないようにしますが、小時間となると話は別。授業をしてもらう前に子どもを落ち着かせ、「今からは〇〇先生にこの漢字1つの勉強を教えてもらいます」と内容も伝え、場を整えた上で渡すことを心がけましょう。

ノボル先生

要は実践につきます。場数が全て。

教育実習期間中に心がけること

子どもとの関わり方について

結論から言うと「友達教師になってはいけない」です。具体的には子どもとの関わり方について事前に伝えておくとよいことは以下の点です。

  • 実習生も教師であることを意識し、子どもと適度な距離を保つこと
  • おとなしい子に積極的に話しかけること
  • 言葉遣いが友達感覚にならないようにさせること
  • 児童生徒と個人的な付き合いをしないこと

児童生徒と個人的な付き合いをしないことは、きちんと指導しておきましょう。特に、高学年の場合は、児童から「先生、ラインやってる?」や「住んでいるところはどこ?」などを聞かれ、連絡先を教えてしまう実習生がいます。自分から児童に連絡先を教えるのは言語道断ですが、頼まれても断るようにきちんといっておきましょう。

ノボル先生

実習生はトラブルなどの指導はしにくいもの。はじめにはっきりとすべきところを教えてあげましょう。

授業について

2週目以降は、45分の1本の授業を完全に授業を任せることになります。最初の授業は…大体うまいこといきません(笑)。それを経験することで、次の改善策が見えるもの。指導教官としては、途中で口をはさみたくなるかもしれませんが、授業が完全にストップしてしまわない限りは、助けに入らないようにしましょう。

ノボル先生

以前担当した実習生で、採取の授業で思うようにいかず、授業途中に泣いてしまう方もいました。それも経験ですね!

なお、「実習」の際には、指導案を作成して指導教官に提出するはずです。指導案についても書き方をきちんと教えておかないと、研究授業の細案を書くことができません。しっかり指導をしましょう。期日に関しても余裕をもって提出させます。

よく見受けられるのが、指導案を研究授業前日になって修正を繰り返し、結果帰りが遅くなる。それだと、肝心の研究授業の内容や指導方法を練る時間がつくれません。

実習生が大学側に提出する書類に「指導案」がありますが、提出部数はさほど多くないので、必要部数の指導案がそろえば、あとは指導案なしで略案のみで授業をさせてかまいません。

ただし心がけることは「計画なしに授業はさせないことです。子どもにとってはその1時間は貴重な時間。例えば「授業を考える時間がなかった」などの大人の都合で、子どもの授業時間が退屈になるのは筋違い。授業をさせるなら、あらかじめ計画を一緒にみる時間をつくりましょう。そして、授業をたくさん積ませてあげましょう!

できるだけ早く帰ること

実習生が遅くまで学校に残ることがないよう、指導教官として気を付けましょう。基本的に、家でできることは家で取り組ませ、定時で帰れるなら帰しましょう。

実習生がいる間は、自分自身の仕事がなかなか進みません。自分のためにも、実習生には早く帰ってもらった方がよいです。

研究授業が近づいてきたら、早く帰れなくなることもあります。それまでは、できるだけ早く帰らせましょう。遠慮して「帰ります」と自分からなかなか言えない実習生もいます。こちらから声をかけて、「今日はもう帰りましょう」と言ってあげてください。

ノボル先生

がんばったことはきちんと褒める、苦労しているところはフォローしてあげるなど、実習生をしっかりバックアップしてあげましょう。

研究授業について

実習の最後の週には研究授業をします。そこでは、大学の先生や校内の先生方にも参加してもらうことも多くあります。指導教官として心がけることは以下の内容です。

指導案の漏れがないかをチェック

実習生が前日までに直接先生方へ指導案を手渡す

どの先生が授業を見に来てくれたのかをチェック

大学に渡す評価項目をもとに授業観察

研究授業になると、実習生は特に緊張するもの。私は小学校教師11年目で毎年研究授業を引き受けていますが、何回しても研究授業で緊張しない時はありません(笑)

実習生に私からは「笑顔と元気良さ」を心がけるように伝えています。

ノボル先生

特に職員室で指導案を配る時には心を込めて一言「お願いします!」と伝えるように!

子どもと一緒にサプライズ会を企画

実習の最後には、お別れ会を開いてあげましょう。もちろん、子どもたちと一緒に計画します。子どもたちからいろんなアイデアを出してもらって、子どもたちに計画、運営をさせましょう。実習生にとって心に残る会になるだけでなく、子どもたちにとっても成長の機会となります。

ノボル先生

初日から撮影してきた写真をスライドショーにして上映するのがオススメ!実習生と子どもたちの頑張りがみてわかります!

実習期間が終わってから

教員採用試験を受けるなら、結果を報告するように伝える

実習生が教員採用試験を受ける予定ならば、結果を報告するように伝えましょう。

教育実習に関わった先生たちは、実習生が採用試験に合格することを願っています。やはり、教育実習でお世話になった学校に結果を報告するのは、義理であり義務であると私は思います。

万が一、不合格という結果であっても、本人の頑張りやセンスを感じている管理職の先生方なら報告することで講師登録など、いろいろ助けてもらえるかもしれません。

ノボル先生

私が担当した実習生は校長先生が頑張りを認めてくださり、実習終了後も引き続きボランティアスタッフへとつなげてくれていましたよ。

控室やロッカーなどをきれいにされているか確認する

原状復帰がマナー。最後に控室やロッカーがきれいになっているか、実習生と一緒に確認しましょう。

意外と忘れやすいのが、体育館用のシューズです。靴箱に入れっぱなしになっているかもしれないので、きちんと確認しましょう。

さて、控室を出るのは、実習生にとっていろんなことが思い出される瞬間でしょう。

子どもたちとの最後のお別れの時に涙を流す実習生も多いでしょう。きっと荷物の中には、子どもたちからもらった手紙や寄せ書きがあるはずです。「教師になりたい!」と思いを強くした実習生ばかりだと思います。

最後に指導教官として「あなたと一緒に仕事ができる日を楽しみにしているよ」と言ってあげましょう。私たち教師も、この教育実習という期間を経て今があります。その未来に向かって突き進む方との出会いに感謝をもてたらと思います。

ノボル先生

教育実習担当者の私たちも実習生の姿勢から学ぶこともありますので、感謝ですね。

教師のなり手を増やすことで、教育界の明るい未来へ

教育実習の指導教官として、がんばってください!新たな教員が一人育つことに、あなたが大きく関わることになるのです。すばらしいことですね!教育界において、教師のなり手を増やすことは、未来への明るい展望を築く鍵となります。教育実習での経験が教師の原点であることを理解し、その価値を引き立てることが、新たな教育者を引き寄せ、育てるための重要な一環となります。

今、教師の数が不足している中で、私たち教師が教育実習担当となり、後輩たちを支える存在になることで、より強固な教育コミュニティを築くことが期待されます。

まず、教育実習での経験が教師の原点であると理解することが重要です。教育実習は未来の教育者が自らのスタイルやアプローチを見つけ、実践を通じて成長するための貴重な機会です。実際のクラスでの経験を通じて、理論だけでは得られない子どもの姿を感じ、教育者としてのアイデンティティが形成されます。教育実習での成功体験は、教師としての自信と情熱を育みます。

教育実習担当として、私たちは後輩たちに対して積極的かつサポーティブなメンターシップを提供することが求められます。教育実習生には理論だけでなく、実践での課題や喜びも共有し、リアルな教育の舞台裏を見せることが重要です。また、挫折や難しさにも共感し、共に解決策を見つけ、成長の機会として捉えることが大切です。

教育実習担当としての役割は、ただ指導するだけでなく、共に学び合う仲間としての側面も強調されます。教育界でのなり手を増やすためには、共感と協力に満ちた環境を提供し、後輩たちが教育者としての自己表現を確立できるようサポートすることが必要です。

教育実習担当としての存在は、後輩たちにとって頼りになる先輩であり、同時に将来の教育者たちを育て上げる「背中を押す存在」です。しんどい・辛いばかりを見せるのではなく、教師の魅力を感じられる実習にするため教育実習担当者がいるということ。最後に、自分が教育実習で得たことを大事に思ってほしいなと思います。校務が増えたと思うのではなく、自分が学ぶ機会、大学生から学ばせていただく機会が増えたと思って実習生を受け入れましょう。

以上、「【学校教員】教育実習生を受け持つことになったら?心がけること5選」の話題でした。普段の仕事術や習慣についての記事はこちら!

ほいじゃあね~👋

ABOUT ME
ノボル先生@共育×子育て×習いごと
\先生こそ自分らしく笑顔で働こう/子どもも大人も笑顔になる習い事を発信|共育=子どもも教師も成長がモットー|小学校教師11年目全学年担任経験。小中一貫校勤務経験|授業満足度毎年9割の授業づくり発信|2児の父親。育短(週に2日育休)1年間取得|時短家事コーディネーター|年間100冊読書|毎年フルマラソン完走|パパママの笑顔が最幸の子育て